本記事では賃貸住宅で使用しているトイレがつまってしまった場合の注意点や、対処法について解説しています。

アパートやマンション戸建て賃貸など、さまざまな賃貸において、急なトイレトラブルでも慌てずに済むよう必要な情報をわかりやすくまとめました。

管理会社や大家さんとのトラブルになることがないよう、落ち着いて対応しましょう。

賃貸でトイレがつまった時の対処法

賃貸住宅のトイレは、大家や管理会社の所有物です。

そのため、自己解決を試みて便器を壊したり、配水管のつまりを悪化させたりすると、修理費用や賠償を求められる可能性もゼロではありません。

もし、賃貸住宅のトイレをつまらせてしまった場合は、次のような手順にしたがって対応することをおすすめします。

原因の特定

なぜつまったのか原因を特定しましょう。たとえば、トイレットペーパーの流しすぎや、排泄物のつまりなど、その原因はさまざまです。

お子様がいる家庭の場合、トイレットペーパーの芯を流したり、おもちゃを落下させるといったケースも考えられます。

これらの原因を特定しておき、業者が訪問した際に伝えることで、業者が適切な処置を行いやすくなります。

また、故意や過失によるつまりでない場合、修理費用を管理会社側に負担してもらえる可能性があることからも、原因の特定は重要なポイントといえるでしょう。

大家などの管理者へ連絡

賃貸住宅のトイレをつまらせた場合は、すぐに自分で業者を手配するのではなく、大家や管理会社などに連絡して指示をあおぐことが望ましいでしょう。

賃貸住宅のトイレは大家や管理会社の所有物です。

他人の所有物に対して勝手に手を加えて便器を破損したり症状を悪化させたりすると、責任を問われる可能性があるのです。

また賃貸住宅のトイレ修理では、居住者の故意による過失などでない場合、大家や管理会社が修理費用を負担するのが一般的です。

管理者への連絡を行うことで、修理費用の全部または一部を負担してもらえる可能性がある点からも、トイレつまりの発生時は管理者への連絡が必須となります。

大家や管理会社に連絡したのち、まずは自力で解決するように許可がでた場合は、スッポンなど簡易な道具を使ってつまりの解消を試みるのも方法のひとつです。

水を汲み取っておく

つまりの原因によっては、時間がたつと水が逆流してくることがあります。

つまりが発生した場合は、灯油ポンプやペットボトルなどで水をある程度汲み取っておくことで、水位の上昇による水のあふれを防止できます。汚物やトイレットペーパーなどが水面に浮いている場合は、手袋や割り箸などを使って除去しておくとよいでしょう。

大家や管理会社へ連絡したとしても、修理業者に直ちに訪問してもらえるとは限りません。

訪問までにこれらの対応をしておくことで、二次トラブルを防げることに加え、修理業者も作業をしやすくなるでしょう。

賃貸でトイレがつまった際の注意点

賃貸でトイレがつまった場合には、まずは大家さんやなどの管理者に相談のうえ、自己解決が難しいようであれば無理せず業者に依頼することをおすすめします。

トイレの排水管は各家庭から出たあと、やがて他の排水管と合流することになります。これは、賃貸に限らず一般家庭においても同様です。

たとえば、自力でつまりを解消しようと試みた結果、異物が奥まで流れて行ってしまい、排水管の合流部分で留まってしまうケースも考えられます。

その場合、自宅だけでなく周辺の家庭や隣室の排水管をつまらせてしまうことになり、多大な影響を与えてしまいます。

そのほか、トイレつまりの自己解決を試みた結果、かえって悪化させてしまい、汚水があふれてしまうケースも考えられます。汚水があふれると階下への漏水、壁紙や床材の貼り替え、損害賠償などを求められる可能性もあるでしょう。

賃貸のトイレつまりで業者を呼んだ場合の費用はだれが負担？

賃貸住宅のトイレは、大家や管理会社の所有物です。

そのため、適切な対応を行えば大家や管理会社側に修理費用を負担してもらえるケースがあります。

しかし、トイレの使い方や状況次第では、自己負担しなければならないことがあります。

まずは契約書を確認

賃貸のトイレの故障や水回りの漏水に関する責任、どのように対処すべきかなどの取り決めについては賃貸契約書に記載されています。

トラブルが起きた時の連絡先や費用の負担について記載されいるはずですので、まずは賃貸契約書を確認するのが一番です。

またマンションの管理規定などにも責任の所在について明記されている場合もあります。

たとえばマンションの共用部でのトラブルについては「管理組合」、専有部の場合は「貸借人」などです。

このような記載がある場合、居室（専有部）のトイレつまりなどで漏水を起こしてしまった場合は、「貸借人（居住者）」に責任があるとされます。

老朽化や経年劣化による修理費用は管理者側の負担

多数の居住者が長年トイレを使用したことによる老朽化や、建物の排水管のメンテナンス不足などによるつまりは、居住者側の責任ではありません。

建物の管理者には、排水管の点検を行うことが義務づけられており、その義務を怠ったことによるつまりの修理費用は、管理者側が負担するのが一般的です。

管理者側の責任なのか、居住者側の責任なのかを明らかにするためにも、日常的に排水口や排水管のセルフメンテナンスを行い、正常に保つ必要があるといえるでしょう。

故意や過失によるつまりの修理費用は居住者の負担

基本的にだれが負担するかについては、大家や管理会社などとの相談となります。

ただし住人がトイレに流してはいけないものを流したり、過失によって固形物を流してしまったりした場合の修理費用は、居住者の負担となることが多いようです。

たとえば、次のようなケースが考えられます。

• 子供がふざけてトイレットペーパーを大量に流した
• おもちゃなどの固形物を流した
• 油分を流すなど排水管を清潔な状態に保つ義務を怠った

トイレは大家や管理会社の所有物であるものの、居住者側にも排水管やトイレのメンテナンスを行い、清潔な状態を保つ義務があります。カップ麺の残り汁など、油分を含む液体をトイレに流していたりすると油分が堆積し、排泄物などがつまりやすくなる可能性があります。

こういった場合は、清潔に保つ義務を全うしていたとはいえないため、費用の負担をしなければならないでしょう。

賃貸でのトイレつまりの例

トイレのつまりには、さまざまな原因が考えられます。

その原因を知ることで、自分で対処する場合と、大家や不動産会社に連絡する場合が違ってきます。

では、どのような状態の時は、大家や不動産に連絡するのがよいでしょうか。

便器へ水が流れない

これはトイレの排水の問題です。

トイレには背部に水を溜め込むトイレタンク式のトイレと、最近流行りのタンクレス式トイレの２つがありますが、どちらも水道管から便器までの排水システムの故障が考えられます。

この修理は、基本的に素人では出来ないので、不動産会社に連絡しましょう。

水を流すと水位が上がる

トイレの便器か、排水管がつまっています。まだ完全につまったわけではないので、一時的に水位が上がった後に、徐々に水が減っていきます。

この手のつまりは、まずは自分でつまりの解消を行ってみましょう。それでも解決しないようなら、不動産に連絡するのがよいでしょう。

流したさいに異音がする

トイレを排水すると「ボコボコ、ポコポコ」と異音がなる場合で、トイレのつまりのサインです。

この場合、掃除などで簡単に解決できるので、まずは自分で対処してみましょう。

異臭がする

築年数がたっているとトイレに独特の異臭がすることがあります。これは排水管が汚染していたり、汚れが蓄積していたりすることが原因です。

築年数があり古い排水管は、掃除の仕方を間違えると破損などにつながるので、自分ではしない方が良いでしょう。

あまりに、臭いがひどいようなら室内に臭いが充満し、ソファー、布団、衣類などに臭いが移るので、不動産に連絡して、対処してもらいましょう。

便器に亀裂が入っている

便器本体やタンクなどの亀裂は水漏れの原因となります。見た目では小さな傷でも水漏れがあれば、床や隙間に入り込み、家全体を腐食していきます。

水漏れは他の2階から1階、隣の部屋などに広がっていくので、すぐに不動産会社に連絡して対処してもらうとよいでしょう。

自分でできる賃貸のトイレでのつまり解消

大家さんや管理会社との話し合いの末、とりあえず自分でなんとかしてほしいといわれる場合もあるでしょう。

すぐにトイレ修理業者に依頼するのもいいですが、まずは自力で解消できないか試してみるのもアリです。

トイレットペーパーなどによる軽微なつまりは、以下の方法でつまり取を取り除いてみましょう。

重曹とお酢

トイレがつまる前の簡単なトイレ掃除には、お酢と重曹が役立ちます。お酢も重曹も食べても大丈夫なくらい安全ですので、トイレ便器の陶器や排水管を傷つける心配がありません。また、重曹とお酢は、スーパーやホームセンターで簡単に手に入り格安なので、とても便利です。トイレがつまる前の予防として、普段使いの掃除用に使いましょう。

トイレ用洗剤

トイレがつまったらまず、トイレ用洗剤によるつまり解消法をやってみましょう。洗剤には、「酸性洗剤」と「塩素系洗剤(漂白剤)」があります。どちらもトイレのつまりを解消することができます。

使用方法は、便器内の水を少なくして、洗剤を多めに入れましょう。大体200ml~300ml、500mlボトルの半分くらいを入れます。そのまま30分以上放置して、つまりを解消します。

ワイヤーブラシや針金ハンガー

物理的な方法で、つまりを解消できる用具にワイヤーブラシがあります。長いワイヤーを便器から排水管に入れて行き、つまりの箇所でワイヤーを前後に動かしたり、回転させたりして、排水管のつまりを解消します。

賃貸の場合、トイレや排水管が古く痛んでいる場合は、ワイヤーによって破損させる恐れがあるので注意しましょう。

スッポン、真空式パイプクリーナー

誰でも簡単に出来るのが昔から使われている「スッポン」や「真空式パイプクリーナー」があります。

どちらも、トイレの排水口に押し当て、引っ張ることで、吸引力の力で、つまりを解消することができます。

真空式パイプクリーナーは、スッポンと比べると5～10倍以上の高い吸引力があるので、強いつまりの解消に向いています。

自力での対処がむずかしい場合は水道修理業者に依頼する

つまりの程度が深刻な場合や試してみたけど改善しない場合は、水道修理業者にトイレつまり解消依頼をしましょう。

念のため大家さんや管理会社に、業者に依頼することを伝えておくと安心です。

管理会社などによっては、会社定型の業者を利用するよう指示がある場合があります。

また大家さんなどから、ひいきにしている安い業者や信頼できる業者などを紹介してもらえることもあるでしょう。

賃貸でのトイレつまりの場合は、より慎重に業者選びを行うことが大切です。

万が一便器を破損させてしまうようなことがあれば、トイレつまりの修理費用だけでなくトイレ自体の修繕費を支払う必要も出てきます。

費用面も大切ですが、確かな技術力で安心して任せられる業者に修理を依頼することをおすすめします。

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