最近、和式のトイレってすっかり見ることが少なくなりました。私も、ふだんの生活で見ることはほとんど無く、古い公園のトイレでたまに見かけるだけです。ただ、日本には、まだまだ和式のトイレがあります。古い民家や公共団地など、和式を使っている、リフォームしていないお宅もたくさんあります。
この記事では、和式トイレで、トイレがつまった時の対処方法について、解説していきます。和式トイレのつまりにお悩みのあなた! 是非、参考にしてください。
記事の内容
和式トイレのタイプ「水洗型・汲み取り型」
あなたの和式トイレは水洗ですか?汲み取りですか?トイレのタイプによって、便のつまりやすさが大きく変ってきます。
水洗型和式トイレ
水洗トイレとは、トイレを使った後、水を流すレバーなどがあり、水と共に便が排水され、下水道に流れるトイレのことです。トイレのつまりは、ほとんどこちらの水洗タイプで起こることがほとんどです。
汲み取り型和式トイレ
一方、汲み取りトイレとは、便を一次的に便器の下にあるタンクに貯めるため、便が直接、タンクへ落ちるような構造になっています。あまり水を使わない(便器をきれいにするために少量の水を流す程度)トイレのことで、いわゆる「ぼっとん式」と呼ぶこともあります。
トイレがつまる場合は、ほとんど無く、タンクが便でいっぱいになる前に、定期的に汲み取り業者がタンクを空にしてくれます。
和式トイレのつまりのサイン
和式トイレのつまりには、さまざまな原因が考えられ、つまりが発生すると似たような現象がみられます。
次に見られるような現象があれば、つまりのサインですので、対応しましょう。そのままにしておくと、つまりが強固になって、解消できる無くなる場合がありますので、注意が必要です。
水の引きが悪い
「あれ?いつもより流れが悪い?」くらいに感じる状態です。つまりの初期のサインなので、早めに対処するほうがいいでしょう。
原因としては、日々の汚れの蓄積や、トイレットペーパーの残骸など少し大きな異物が排水管の一部を詰らせている状態です。
水がゆっくりと引いて、流れるのに時間がかかる
「完全に流れが悪いな」って感じる状態です。
水は少しずつ流れるので、完全にトイレが詰っているわけではありませんが、もうすぐ使えなくなる可能性が高いです。すぐに対処した方がいいでしょう。
急にこのような現象が見られた場合、つまりの原因は「何か大きな異物が排水管を詰らせた」ことが考えられます。
最近、トイレに何か落とした、又は水に溶けない物を流したなど、思い当たる節はないでしょうか?
異音
「水を流したら、変な音がする」ことはありませんか?
これは、つまりの始まりのサインです。「ポコポコ」、「ズバー」など音が鳴るときは、軽いつまりによって排水管内に空気が溜まって起こります。
すぐにトイレがつまると言うわけではありませんが、掃除をするタイミングでしょう。
水がまったく排水されない
「便器の水が溢れそう!」となったら、完全にトイレがつまった状態です。
一刻も早く対処しなれば、トイレが使えません。つまりの原因は、汚物や不溶物が排水管を完全につまらせています。
和式トイレのつまりを解消する便利グッズ
トイレのつまりを解消するには、専用の洗剤や用具を必要とします。日々の掃除とは別に定期的な掃除として、次のような物を供えておくと便利です。
トイレ用洗剤
トイレ用洗剤は、大き目のスーパーやホームセンターなどですぐに手に入ります。使い方も簡単なので、家に常備しておくと大変便利です。
トイレで使う洗剤は3種類のタイプがあります。普段、日常の掃除に使う「中性洗剤」と汚れやつまりがあるときに利用する「酸性洗剤」、「塩素系洗剤(漂白剤)」です。酸性洗剤と塩素系洗剤(漂白剤)は、トイレの汚れの原因によって使い分けますが、トイレのつまり解消には、どちらでも利用できます。
常備の洗剤として、「中性洗剤」1本と、「酸性洗剤または塩素系洗剤」のどちらか1本の計2本を持っていると安心できます。
ワイヤーブラシ
和式トイレの排水路は、せまい平面の中で複雑に折りたたまれています。そんな複雑な排水路のつまった箇所を物理的に掃除できるのが、ワイヤーブラシです。
3~5mの細長いワイヤーの先にブラシが付いています。排水口からワイヤーを入れて行き、つまりを壊して解消した後に、直接ブラッシングしてきれいにできます。
スッポン
昔ながら使われているトイレのつまり解消グッツとしては、「スッポン」があります。最近では、「ラバーカップ」と呼ばれているようです。
スッポンは、棒の先に取り付けられた半月型のゴムカップが付いていて、吸引力の力でトイレのつまりを解消することができます。
作業は、女性でもできる簡単なもので、短時間で終わるので、一家に1つはあると便利です。
真空式ポンプクリーナー
スッポンと似た商品として真空式ポンプクリーナーがあります。スッポンよりも強力な吸引力で、トイレのつもりを解消することができます。
安い商品だと2,000円くらいで、近所のホームセンターで購入することができます。強い吸引力を得るために、ひっぱる力が必要なので、女性には難しい商品もあります。
高圧洗浄機
高圧洗浄機とは、ホースから高圧の水が噴出する用具のことです。テレビでもお馴染み、家の外壁や車の掃除に利用できるグッツですが、トイレの排水管清掃にも使えます。
高圧洗浄機の場合、トイレの室内からの作業では無く、室外にある排水管の清掃を行うことで、トイレのつまりを解消します。用具が高額なのと、少し時間と手間がかかりますが、排水管の清掃、つまりの解消としては、一番、強力です。
和式トイレでの作業は、注意が必要?
最近めっきり見ることが無くなった和式トイレ。そのため、製造、設置されてから長い年月が経っている場合がほとんどです。水や外気、汚物にさらされて大分、劣化しているかもしれません。
トイレのつまりを解消するための作業で失敗すると便器の破損につながることがあります。作業をする上で、次のような事に注意しましょう。
破損すると修繕費が高い?
ご自宅の和式を見てください。大抵の和式トイレは、便器が床と一体化した作りになっています。そのため、便器が破損し、交換となると周辺の床も同時に直すことになります。
また、和式の便器自体、なかなか見つからないので、修繕となると洋式トイレへリフォームする必要が生じるので、時間と費用も高くなってしまいます。
作業の時に気をつけること
劣化した便器 (陶器)は、温度や圧力に弱くなっています。そこで、今回ご紹介したつまり解消法では、次のような事を注意しましょう。
- トイレ用洗剤を使用する時
酸性洗剤や塩素系洗剤は、強い酸やアルカリの力で汚れをきれいにしますが、同時に便器を腐食しやすくなります。そのため、トイレ用洗剤を使用する時は、ボトルに記載のある用法よりも、水を足して半分くらいの濃度で行う方が、便器を傷つける心配が少なく安全です。
- ワイヤーブラシ
ワイヤーブラシは直接、便器を擦る用具です。そのため、便器が傷つかないように金属性のワイヤーブラシは止めましょう。少しつまり解消の力は落ちますが、柔らかい素材を選択しましょう。
- スッポン、真空式トイレクリーナーを使用する時
圧力の力によってつまりを解消するため、急激な圧がかかると便器や配水管が破損することがあります。はじめは、少し弱めの力で作業し、様子を見ながら強くしていきましょう。
- 高圧洗浄機を使用する時
和式トイレがあるお宅なら、築年数もかなり経過していると思われます。劣化しているのは、トイレ便器だけでなく、排水管も同じように劣化によって弱くなっています。
高圧洗浄機の圧力は、とても強く、劣化した排水管を破裂させる恐れもあります。使用時はやはり、はじめは弱い水圧で様子を見ながら、徐々に強くしていくほうがよいでしょう。
まとめ
最近は、まったく見なくなった和式トイレ。その分、トイレがつまった時、どう対処したら分からなくなるのも当然です。基本的なトイレグッツは、和式と洋式でかわりませんので、いざと言う時のために、何かしらのグッツは用意して置いた方が無難です。
トイレのつまり:和式トイレ Q&A
- Q1:和式トイレの掃除方法を教えてください。
- 回答:日々の汚れには、クエン酸スプレーや中性洗剤を使うと、汚れが付きにくく、清潔なトイレが保てます。
- Q2:和式トイレに水が流れません。どうしたらいいでしょうか?
- 回答:水が流れないのは、目の前にあるトイレタンクが原因かも知れません。トイレタンクの記事を参考にしてください。
- Q3:和式トイレに合うラバーカップがわかりません。
- 回答:ラバーの部分は便器の形状や大きさによって変ってきますが、分からない場合は、どのタイプの排水口にも合う半月タイプを選びましょう。