家庭に通常1台しかないトイレ。急につまったりしたら大事です。トイレは水に流すと勢い良く流れ、「ザァー」と言う音がしますが、時折、「コポコポ」って音がしたりはしませんか?これは、もしかしたら、トイレがつまりだしたサインかも知れません。
そのまま放置しておけば、コポコポの頻度も高くなり、トイレがつまる可能性があります。そうなる前にしっかりと原因と対処方法を確認しておきたいですね。
この記事では、そんなトイレの異音「コポコポ」が発生している、悩んでいる方へ、上手な対処法と、予防に役立つトイレクリーナーについてご紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
記事の内容
コポコポ異音はトイレのつまりのサイン?
では、トイレの異音「コポコポ」がする原因について考えて見ましょう。原因がわかれば、その対処方法がわかり、安心して作業することができます。反対に間違った方法で、処理するとさらにつまりが悪化したり、便器自体の破損につながったりしますので、注意が必要です。
コポコポ異音の原因
トイレは、大量の水を便器に流すことで、排水管の水圧を上げて、汚物を下水道に流します。この時、「コポコポ」と音がするのは、排水管の水の流れが悪くなっているためで、排水管内のつまりが原因です。
つまっているといても水は少しずつ流れている状態であるため、空気が逆流することで、「コポコポ」、「ゴッボ」とした異音がなります。 さて、ではつまりの原因と対処方法について詳しく見て行きましょう。
固形物を流したときの対処方法
・固形物によるつまりの原因
結構、多いのが水に溶けない固形物を流してつまるケースです。例えば、スマホや財布、アクセサリー、煙草などを便器に落とし、気が付かないで流した場合などがあります。また、子どもが面白半分で、おもちゃなどを流すことも良くある話です。
一方、固形物として大きくはありませんが、体調不要による嘔吐物をトイレに流すケースやトイレの床掃除などで絡み付いてくる髪の毛や細かいゴミをトイレシート一緒にトイレに流すような行為も異物のつまりの原因になります。トイレは、構造上、排水先が細くなっているので、溶けない異物がつまった場合、当然、水が流れなくなります。
・水に溶けない異物つまりの対処方法
では、このような水に溶けない異物のつまりは、どのように解消したらよいのでしょうか?まず、スマホやおもちゃなどの大きな固形物が原因である場合、見える範囲にあればしっかりと取り除きましょう。一部だけ見えている場合などは、針金ハンガーなどを利用して、引っ掛けるといった方法があります。固形物を取り除いた状態で、水の流れを確認しましょう。
次に、物理的な方法でつまりを除去する方法として「ラバーカップ」を使用しましょう。ラバーカップは、ホームセンターなどでも販売されている手軽な商品で、一昔前なら「スッポン」として知られ、空気圧の力でつまりを取り除きます。
似た商品で、「真空式パイプクリーナー」があり、ラバーカップが空気を便器に押し込むのに対して、真空式パイプクリーナーは、空気を押したり、引いたりするため、より強力につまりを解消できます。
日々の汚れが原因でつまったときの対処方法
・汚れの蓄積によるつまりの原因と異臭
特に固形物を流した記憶がないのに「コポコポ」と異音がする場合は、排水管が汚れでつまっている可能性が高いです。原因は主に2つ考えられ、1つ目は、体調不良時に嘔吐物をトイレに流すことや、小さなゴミ、髪の毛などを掃除後に流すことで、排水管の中がつまってしまうことです。
2つ目は、日々の汚れの蓄積です。配管内での大便のこびり付きはもちろん、尿に含まれるカルシウムイオンが固まり尿石として蓄積することがあります。尿石は小便をするたびに、すこしずつ蓄積し、大きくなるので、尿石に大便、嘔吐物、髪の毛、ゴミなどが絡みつくとさらにつまりの原因となります。
このタイプのつまりは、そのままにしておくと、黄ばみ、カビ、黒ずみなどによってアンモニア臭などの異臭が発生しますので、臭いが強い場合はこのタイプのつまりである可能性が高いです。
・日々の汚れでつまったときの対処方法
この手のタイプのつまりには、トイレ用の工具を使った物理的な方法と、洗剤を使った科学的な方法の2つを利用することができます。物理的な方法では、「ラバーカップ」、「真空式パイプクリーナー」、「ワイヤーブラシ」などが利用できます。ただし、ワイヤーブラシでは届く範囲しか清掃できませんので、排水管の掃除には不向きです。
「ラバーカップ」、「真空式パイプクリーナー」は、つまりを解消することはできますが、排水管自体が綺麗になるわけではないので、時間とともに、またつまってしまいます。 排水管の清掃をしっかり行いたい場合は、トイレ用洗剤を使って、化学的に排水管をきれいにして汚れを取り除くことが大切です。
コポコポに有効な洗浄方法
コポコポの異音を完全に除去するには、排水管にこびり付いた汚れを除去する必要があります。この時、市販のトイレ用洗剤がとても役立ちます。洗剤にはたくさんの種類があるので、どの洗剤を選べばいいか悩んでしまうと思います。ここでは、洗剤の種類と対象の汚れについて解説し、コポコポ異音の解消について説明してきます。
洗剤の種類
トイレ用洗剤の種類は、大きく3つあり、汚れによって使い分けることができます。主に「中性洗剤」、「酸性洗剤」、「塩素系洗剤、漂白剤」があります。トイレの異音「コポコポ」は、排水管に異物が蓄積してつまった状態ですので、洗剤によって汚れを溶かして、洗い流す必要があります。
そんな汚れに効果的なのが、「酸性洗剤」と「塩素系洗剤、漂白剤」です。塩素系洗剤、漂白剤は、アルカリ性洗剤とも言われます。酸性、アルカリ性と聞くと、学校で習ったpHの化学の時間を思い出すかも知れませんが、汚れを化学して、pHの力によって効率よく汚れを溶かして、洗い流してくれます。
汚れの原因と使う洗剤
では、どのような汚れに、どの洗剤を用いるのが良いのでしょうか?「酸性洗剤」と「塩素系洗剤、漂白剤」には、それぞれ得意とする汚れがありますので、使い分けましょう。
・ 酸性洗剤
酸性洗剤は、酸の力によって汚れを溶かす作用があり、主に尿石、黄ばみ、水垢に効果を発揮します。人の尿には、カルシウムイオンとアンモニアイオンが含まれています。カルシウムイオンは尿石の原因に、アンモニアイオンは黄ばみや臭いの原因になります。
酸性洗剤はこのどちらも分解するので、尿石と臭いの原因を一気に解消してくれます。市販の酸性洗剤では、「クエン酸」や「サンポール」などが有名です。
・ 塩素系洗剤、漂白剤 (アルカリ性洗剤)
塩素系洗剤に有効な汚れは、黒ずみ、カビ、手垢、髪の毛などです。黒ずみやカビは、トイレに付着する有機物を栄養素にしたカビや細菌が繁殖したものなので、塩素(アルカリ性)系洗剤が強力に効果を発揮します。また、トイレのつまりで多い髪の毛についても、アルカリ性の洗剤によって溶かすことができます。反対に塩素系の洗剤では、尿石などは溶かすことができません。
洗剤の使用方法
酸性や塩素系洗剤に関わらず、洗剤の使い方は一緒です。
まず、洗剤が目や皮膚に触れないようにマスク、防護めがね、ゴム手袋を着用しましょう。誤って目や口に入ったり、皮膚に付いたりしたら、すぐに大量の水で洗い流しましょう。また、塩素系、漂白剤は、衣類に付くと、服が白く脱色されるので、色物の衣類を着て作業する時は注意が必要です。
清掃方法は、汚れのひどい箇所、特に黄ばみ、尿石へは酸性洗剤を、一方で、黒ずみ、カビがある箇所へは塩素系洗剤をかけましょう。ただ、同時に酸性と塩素系洗剤を使っては絶対にいけません。必ず片方の洗浄が終了してから2段階で清掃をしましょう。 なかなか落ちない頑固な汚れには、トイレットペーパーなどを汚れた部分にかぶせて、30分以上置いてください。最後に水で流して「コポコポ」と言う音が改善されていれば終了です。
絶対に洗剤をまぜるな危険
酸性と塩素系の洗剤のボトルには、それぞれ「混ぜるな危険」と明記されている商品が多くあります。酸性と塩素系の洗剤は、反する効果があるため、混ぜて使っても効果が無く、むしろ、化学反応によって体に有毒な塩素系ガスを産生することがあります。必ず、ボトルや説明書に記載されていることを守りましょう。
また、トイレの換気扇を回すことや、トイレのドアを開けた状態で作業するようにしましょう。塩素系のトイレ用洗剤では、揮発した塩素が空気と一緒に目に少なからず入ってきます。少し目が痛いときなどは、すぐに水で洗い流しましょう
まとめ
トイレの異音「ポコポコ」の原因と対処法について、いかがでしたでしょうか?トイレのつまりはいつ起こるかわかりません。ポコポコのサインを見逃さず、しっかりと掃除を行いましょう。もし、この記事の対処方法でも異音の原因が取り除けない時は、個人で処理することは不可能なので、専門の業者に依頼することをおすすめします。
トイレがつまった時の対処方法に関するよくある質問
- 固形物を流した時のおすすめ道具を教えてください。
固形物は比較的浅い場所にある場合は100均で購入できるマジックハンドがおすすめです。
ラバーカップを使う時のコツを教えてください。
ラバーカップのゴムの部分全部、水に浸かって、ゆっくりとラバーカップを押し込んで、もう押し込めないところまで押したら、勢いをつけてグッと引っ張ります。
ラバーカップは和式トイレに使えますか?
ラバーカップは3種類があります。それぞれ和式用・洋式用・節水型トイレ用です。しっかり区別して購入するようにしてください。
真空式パイプクリーナーを使う時の注意点を教えてください。
真空式パイプクリーナーを使う時、排水口から圧をかけるので汚水が飛び散る可能性があります。ビニールシート、キチンペーパーなどを使って養生するのがおすすめです。
- 洗剤を使う時の注意点を教えてください。
洗剤を使用する時は素手で触らないように気をつけてください。また、酸性タイプの洗剤は漂白剤と一緒に使わないことを必ず気をつけてください。