最近、トイレの異臭が気になる、又は、「ポコポコ」と異音がなるって経験はありませんか?それは、もしかするとトイレのつまりのサインかも知れません。普通の家庭なら、一軒に一台のトイレ、1つでもつまってしまったら大変です。また、二世帯住宅でも、トイレの排水管は一緒なので、つまる箇所によっては、どちらのトイレも使えなくなってしまいます。
そうなる前に、「日々のトイレ掃除をしっかり行って」と思いますが、現実には忙しく、なかなかできないのではないでしょうか?
この記事では、トイレのつまりの解消法と、定期的な掃除に、「お酢」が利用できることを紹介していきます。お酢はだいたいどこの家庭でも常備しているので、ちょっとした掃除にも利用することができるお手軽アイテムです。是非、活用してみてください。
記事の内容
お酢によるトイレのつまり解消
さて、お酢によるトイレのつまって本当にできるのでしょうか?実は、お酢はなかなかの優れもの!ブラシでも落としきれないような頑固な汚れにも効果を発揮します。トイレのつまりの原因と、正しいお酢の使い方をしっかりと確認して行きましょう。
効果は、お酢の成分が大切
お酢の成分って知っていますか?「お酢は、お酢で出来ているんだよ」って言われてしまえばそれまでですが、お酢は、穀物や果物を原料に酢酸菌の発行によって作られる発酵食品です。
発行の過程でさまざまな「酸」が産生され、酢酸、クエン酸、乳酸、りんご酸、コハク酸などがお酢の成分に含まれます。このさまざまな酸が汚れに効果を発揮しますが、中でも効き目が強いのが酢酸とクエン酸、乳酸です。特に酢酸は、お酢の3~5%に含まれる最も多い成分です。
お酢の洗浄力pH(ペーハー)ってなに?
お酢の効き目は酸性度が決めてです。酸性の度合いを表す科学用語にpH(ペーハー)があります。pHと聞くと頭が痛くなる人もいるかと思いますが、それほど難しくありません。pH1~6が酸性、pH7が中性、pH8~12がアルカリ性と呼んでいるだけです。
酸性では、pH1に近づくとより酸性度が高くなり、穀物酢などのお酢のpHは3とかなり酸性の度合いが高いです。ちなみにレモンの果汁はpH2.3くらいなので、より酸性が強いです。余談ですが、お酢やレモンのすっぱさの原因は、クエン酸によるものでこちらも酸性が高いです。この酸性の作用によってトイレの汚れを落とすことができます。
お酢って何で汚れが落ちるの?
トイレの汚れの原因はさまざまありますが、日々の汚れの原因は、尿石と黄ばみが中心です。私たちの尿には、カルシウムとアンモニアが含まれています。
カルシウムは、歯や骨の材料になるほど固まると硬い物になります。トイレでも同じようにカルシウムが便器や排水管に付着し、固まると尿石と呼ばれる硬い塊になります。
もう1つアンモニアは蓄積すると黄ばみへと変化し、トイレの異臭の原因になります。この尿石と黄ばみに、大便やトイレットペーパーのかす、髪の毛などが絡みつき、つまりの原因となっていきます。
さて、実は、お酢の酸性の力は、この尿石やアンモニアを溶かす効果が高いです。カルシウムは酸に良く溶け、アンモニアは酸で分解します。そのため酸性度の高いお酢は、尿石と溶かし、臭いの原因アンモニアを分解することで、トイレのつまりを解消することができます。
お酢の抗菌作用
もう1つ着目したいのが、お酢による抗菌作用です。これもお酢の酸性度の高さによるものですが、トイレに付着した細菌やカビなどを殺す、殺菌作用があります。台所では、良くまな板の抗菌にお酢を使う料理人もいるくらい効果があります。トイレの汚れだけでなく、抗菌もできるので、一石二鳥といった感じです。
同じ効果のクエン酸
トイレ掃除の時に、良く利用されるのがクエン酸です。先ほども説明したように、お酢の成分にクエン酸も含まれています。すっぱい成分で高い酸性度からお酢と同じように洗浄効果があります。クエン酸については、トイレ用洗剤としてクエン酸だけが入った商品があるので活用してみてください。
入れたら危険?混ぜたら危険?
市販で売られているトイレ用の酸性洗剤や塩素系洗剤には、ボトルに「まぜるな危険」の文字が大きく表示されています。そもそも、酸性洗剤と塩素系洗剤を一緒に使ったり、混ぜたりすることで、化学反応を起こして、人体にとても毒性のある塩素ガスが発生するために、市販のトイレ用洗剤は混ぜてはいけません。
しかし、お酢に関してはそのような心配はほとんど無いでしょう。もともと食品として扱われているお酢は、酸性度が高いと言っても、成分の量は非常に少ないです。お酢の酢酸の割合も3~5%程度であり、他の薬剤と混ぜても激しくは反応しません。
ただし、万一のことを考えて、作業する時は、換気扇を回す、トイレのドアを開けて置き、換気をしながら行いましょう。
お酢を使ったトイレのつまり解消法
強い酸性の力で汚れを落とすお酢ですが、市販のトイレ用洗剤と比べれば効果が劣ります。そのためお酢によるトイレ掃除では、つまりの解消よりも、つまりの予防の側面が強くなります。
定期的なトイレ掃除の際や、トイレの異音や悪臭が感じられたら、お酢を使って、つまりの予防や、悪臭の分解を行うことが良いでしょう。
トイレ掃除に用意するもの
トイレ掃除では、お酢に限らず準備したい用具として、「バケツ」、「汲み取り用の柄杓(又は灯油ポンプなど)」、「新聞紙又はビニールシート」、「トイレ用ブラシやトイレシート」が欲しいです。
また、自分を保護するために「ゴム手袋、エプロン、三角巾、マスク、防御メガネ」を用意しましょう。
お酢を使用する前のトイレの準備
お酢を原液で使用する時は、あのすっぱい臭いでトイレが充満しないように、トイレのドアを開けて置く、または換気扇をかけながら作業しましょう。また、便器の回りなど、新聞紙で養生しておくことで、仮にお酢がこぼれても床や壁が汚れないようにしましょう。
掃除の仕方
お酢を使ったトイレ掃除は実に簡単です。その中でも、特にトイレの便器と排水管の汚れを落とす方法について、紹介していきます。
- まず、便器内に水が貯まっていたら、柄杓や灯油ポンプを使ってできる限り取り除きましょう。これは、お酢が便器内の水でうすまり、効果が半減することを防ぎます。
- トイレの便器回りを養生した後に、トイレの扉を開け、換気をします。
- お酢を便器の汚れのひどい箇所に直接かけます。容量は、汚れにしっかり付く程度で十分です。
- そのまま5分程度以上置きましょう。
- 強い汚れには、汚れの箇所にトイレットペーパーを被せ、お酢をかけた後、1時間以上、放置しましょう。
- 便器内の汚れの箇所を、ブラシを使って磨いてください。
- 最後に、トレイの排水を行うか、バケツ1杯程度の水を流してください。
注意点
- 作業中、目にお酢や汚物が入った場合は、すぐに大量の水で洗い流し、異常がある場合は医師の診断を受けましょう。
- 口に入った場合は、口を大量の水で良くすすぎ、医師の診断を受けましょう。
- 食品用と掃除用のお酢は分けて保管することをおすすめします。
- タイル目地や壁や床、トイレ回りを清掃する場合は、水で2~3倍に薄めたお酢で行いましょう。その後しっかりと流水で洗い流しましょう。
お酢を使う時の注意点
お酢は、どの家庭でも一般的に常備されている食材です。そのためトイレにすぐに使えてとても便利です。ただ、お酢を使う前にちょっと気にしたい注意点をご紹介します。
お酢と市販のトイレ用洗剤、どっちを選ぶ?
急を要し、どうしてもトイレ掃除をしなければいけない時、市販のトイレ用洗剤が無ければ、お酢を利用しても良いですが、市販のトイレ用洗剤があれば、そちらを使用した方がより洗浄効果が高いです。
- 洗浄力
市販のトイレ用洗剤は、同じ酸性タイプでもトイレ用に開発されており、その洗浄力は、お酢よりもはるかに高いです。一番は、洗浄の成分が、酢酸ではなく、塩酸を使っており、さらに成分量も濃いので、効果はとても高いです。
- 価格
お酢も決して安い食材ではありません。種類よって大分違いますが、500 mlで200円前後でしょうか?一方、トイレ用洗剤も大体同じくらいの値段です。洗浄力で比べたら、トイレ用洗剤の方が圧倒的に強力なので、値段と効果を考えたら、お酢でなくてもいいと思われます。
- お酢の種類
昨今の健康指向によって、さまざまなお酢が市販されています。そのすべてがトイレ掃除に利用できるかと言えば、良くわかりません。穀物酢などは、酢酸が5%程度の成分として含まれていますが、飲むタイプの酢やりんご酢などの洗浄力はわかりません。高いお酢なら、なおさら健康のために使いましょう。
まとめ
お酢は、その酸性度の高さから、トイレ掃除にも使えて大変便利な素材です。簡単な作業で、汚れや臭いの原因を除去、分解し、さらに微生物を殺す抗菌作用まで備わっている優れものです。日々のトイレ掃除、定期的な排水管掃除に利用してみてはいかがでしょうか?
お酢によるトイレのつまり解消に関するよくある質問
お酢を使用する際のコツを教えてください。
仕上げにラバーカップを使用することでよりスッキリになれます。
お酢の使い方はこちら
お酢はない時としたらいいですか?
ベーキングパウダーは重曹とお酢に代用できます。しかし、効果は半減なので、使用する際は量が倍にした方がおすすめです。
お酢以外にトイレつまりが解消できる道具を教えてください。
日常的に家にある物なら、食器用洗剤もトイレットペーパー、水溶性の紙類、排泄物などによるつまりが対処することができます。
簡単なトイレのつまり予防方法を教えてください。
水に溶けやすいトイレットペーパーに切り替えることや、定期的にトイレの掃除をすること、タンク内の状態をチェックすることなどで、異常が早期発見ができますので、トイレ詰まりの予防に効果的です。
トイレ小便器のつまりの予防方法を教えてください。
定期的な掃除が必要です。男性用トイレの小便器は、尿石が溜まりやすいので、日常頃から小便器の中に尿石防止の薬などを置いておくのがおすすめです。